
2011.04.04
1月29日、ケイワークスの社内勉強会に、東京都大田区にありますなるかわ歯科医院の院長 成川正之先生と、副院長 成川史子先生のお二人に来ていただき、お話していただきました。
歯科治療の理想と現実がテーマで、ラボサイドで思う「理想的に」と、ドクターサイドで思う「理想的に」の違いについて、実際にケイワークスでお預かりしたケースを例にお話をしていただきました。
まずGBRについてです。
GBRとは骨再生誘導療法(guided bone regeneration)の略で、インプラントを埋入するときなど、骨が足りない場合に、自家骨や人工骨を移植し、骨にボリュームを持たせる歯周組織再生療法の一つです。
私は今まで「ほしいところに、ほしい分だけ骨が足せる治療法」だと思っていましたが、それは大きな間違いでした。
GBRを行おうとした際、まず骨に対しての、水平的なGBRと、垂直的なGBRが考えられます。
インプラント埋入と同時にGBRする場合では、水平的GBR(下顎でいうと舌側の骨の高さに合わせて頬側にボリュームを足す)の方が成功率が高いようです。
逆に、埋入と同時に垂直的GBRを行った場合は、成功率が低いようです。
理由は、骨がうまくできないことがある、とのことです。具体的な例としては、オペ後しばらくして、歯肉が裂開し、中に使用したチタンメッシュが見えてきて骨ができない、などの問題があるようです。
垂直的GBRを行う場合は、骨のボリュームを増してから埋入する事により、成功率が高くなるということでした。
次に、ケイワークスで製作したサージカルステントを用いての前歯部インプラント埋入についてです。
ラボサイドでは前歯部サージカルステントを製作する際、ワックスアップした歯冠形態の粘膜面部分の中心から、やや遠心口蓋側の位置にスターティングポイントを設定し、ラボサイドで思う理想的な位置・方向でガイディングホールを開けたサージカルステントを納品していました。
しかし実際口腔内では、ステント通りに埋入しようとすると、その位置に骨が少なかったり、もうちょっと口蓋側寄りに穴を空けておいてもらえると良かった、という指摘をしていただきました。
次回から模型をしっかり確認したうえで、先生とのコミュニケーションをとって、より正確なステントを製作しようと思います。
最後に、先生が日頃から疑問に思っていたことについてでした。
「上顎の側切歯の上部構造を製作してもらうと、唇側遠心のラインアングルが、ぼてっとした形で出来上がってくることが多く、天然歯のようなスッキリとしたラインで出来上がってこないのはなぜだろうか?」と思っていたそうです。
その場での答えとしては、上顎の2番、3番間のスペースが広かったことや、技工作業では歯頚線を揃えようとして形態が窮屈になってしまった、インプラント埋入の位置が唇側遠心寄りの設定のときになりやく、もう少し口蓋側寄りに設定することで、スッキリとした形態を付与できたのではないかという案が出ました。
私はその話を聞くまで、そういったことを意識もしていなかったので、これからその辺りも意識していろいろ模型を見てみようと思いました。

そして、夜には全員で中華料理屋にて食事をして楽しい時間を過ごしました。
今回のお話を聞いて、同じ「理想的に」という言葉で話をしていても、チェアサイドとラボサイドでイメージしたものが違ってしまっていると、診療時間が長くなったり、希望する治療が行えなかったりし、先生や患者さんにストレスを与えてしまう結果にも繋がるので、もっと私達の基礎知識を高め、先生とのコミュニケーションをとり、互いのイメージのすり合わせが必要だと実感しました。
お二人の先生方には、お忙しい中貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。