2010.10.23

report オーリアラプライベートセミナーに参加して (加賀)

 先日、オーリアラで行われたプライベートセミナーに参加させて頂きました。
講演をして下さったのは、元々シークエンシャル咬合(オーストリアンナソロジー)の第一人者である榊原 功二先生のところに勤められていて、現在は独立開業され、御活躍されている長谷川 篤史先生です。
 今回のセミナーは2時間という非常に短い時間でしたが、シークエンシャル咬合のアウトラインについてとても解りやすく説明してくださいました。
この咬合理論にはブラキシズム(グラインディング,クレンチング,タッピング)は正常な運動であるという考えがあり、この運動はストレスの発散をする為のものなので、ブラキシズムを止めるのではなく、円滑にこの運動が行える様な咬合を与えるということでした。また乳歯からの移行の重要性を考えていて、特に混合歯列期のⅠ級,Ⅱ級,Ⅲ級の咬合関係はその後の永久歯列の咬合関係に大きく影響するということでした。よってこの時期での矯正治療による咬合関係の改善が、より有効なのではないかと私は考えました。
 基本的にはCADIAXより得られたデータをコンピューターにより分析し、セファロより患者さんの持つ骨格形態を分析して、咬合器の設定〜最終補綴物を製作し、Bruxchecherにより就寝時の歯牙の接触関係を印記して最終調整をしていくという流れです。
補綴物に与える咬合は順次離開咬合で、これを与える為に最後臼歯からwax upし、咬合面の展開角を前方に行くに従ってきつくして行きます。対合歯との咬合関係は一歯対二歯で与えます。またⅠ級,Ⅱ級,Ⅲ級,により咬合の与え方を変えるため、非常に複雑な様に感じるのですが、Girubach社の咬合器に専用のパーツを組み込む事により、システマチックな製作が可能となっていました。このシステムは数値的な診断により示されるので、もし問題が発生した際にもフィードバックしやすいというのが大きな利点の様です。
 長谷川先生の言葉で印象に残っているのが『咬合理論に正解、不正解はない』という言葉です。それだけまだ未知な部分が多く存在する分野だという事で、例えば“中心位”の定義一つとってみても現在に至るまでに大きな変化があり、現在のものだけみても文献によって少しずつ違っていたり、内容が曖昧だったり…。 
セミナーを受講させて頂いて私が感じたのは、各々の咬合理論は診査・診断の方法が異なり、エンドポイントへ導くアプローチの仕方が異なっているだけで、どの咬合理論も本来の歯科医療の目的である機能回復率の向上と歯列の保全を達成し、患者様個々の顎機能に調和した補綴物を製作するという共通の認識であるという事です。今回のセミナーでは本当に触りの部分しか聞く事ができませんでしたが、まだまだ深く難しい部分が隠れているという事が感じとる事ができたので、今後も自ら勉強すると共に、多くの御教授頂きたいと思います。
 

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